おいしい和食が夏バテのカラダを癒やす「銀座 熊さわ」(東京・銀座) – 朝日新聞



 猛暑続きで、疲れ気味のからだを癒やしてくれるのはやっぱり、だしの効いたみそ汁とつやつやの白いご飯。今週の「口福のランチ」は、地下鉄銀座駅から歩いて5分程のビルの地下にある「熊さわ」。日本料理一筋の店主熊澤清吉さんの繊細で奥深い日本料理が味わえます。

 18歳で和食の世界に入り、料亭北邑、石亭などで修行を積み、会員制リゾートホテル「エクシブ初島クラブ」の初代料理長などを経験した後、2010年に「熊さわ」をオープン。毎日築地に出向いて仕入れる新鮮な魚介を中心に、熟練の技が光る上質な和食を提供しています。

 ランチは、「麦とろご飯と焼き魚(1200円)」、「煮魚膳(1200円)」、「牛すき豆富膳(1200円)」、「ばくだん丼(1800円)」の4種類。どれも甲乙つけがたくおすすめです。今回注文した「麦とろご飯と焼き魚」は、2種類の焼き魚と麦とろろ飯、ナスの煮物にみそ汁、最後に手作りのデザート付き。香ばしく焼かれた魚はうれしい2種盛り。脂が乗っていて中までジューシーで、鮮度の良さが分かります。ネギとしょうがが添えられたナスの煮物はしっかりとだしが効いていて、麦飯とも好相性。たっぷりのとろろがいかにも夏バテ気味の体によさそうです。「この値段で提供できる魚は限られてしまいますが、自分が食べてもおいしいと胸を張れるものを選んでいます。それに一度に2種類食べられたらうれしいでしょう」と話す熊澤さんは、常に食べる側に立ってメニューを考えています。

 その安さに驚かされるのは「ばくだん丼」も同様。1800円はランチとしてはかなり奮発する値段ですが、目の前でネタケースから次々と新鮮な魚を取り出し、その場で切り分けながら丼のご飯に載せていく様を見ると納得できます。見るからにおいしそうなマグロは、分厚く角切りにしてワサビとしょうゆで軽く漬ける。タコ、マコガレイ、ホタテ、イクラに青柳と、どれも驚くほどのボリュームです。彩りを添えるために青柳を使うお店はありますが、こんなにたっぷりと味わえるのは初めてです。

 そして、最後に「納豆は上からかけますか。それとも別皿にしますか」と声かがかる。熊澤さんは、ご飯の量なども気にかけて、常に客に声をかける。話し込むわけではなく、手際よく料理を作りながらひと言ふた言。この気配りに心が和みます。

 ランチ用の素材は、夜に出すものと変わらない上質なもの。「ランチは店の良さを知ってもらう大切な機会ですから、採算度外視で頑張ってやっています。おいしさを理解していただいてこそ、お客様との付き合いが始まりますから」と熊沢さん。丁寧に手作りされた料理には格別のおいしさがあります。

 この夏は、4種類をすべて制覇したくなる、次に行くのが今から楽しみなお店です。

<今回のお店のデータ>銀座 熊さわ東京都中央区銀座6-12-15 B1F03-6228-5415


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